ボカロ小説『Bad∞End∞Night・上下巻』あらすじと感想ネタバレ

ふらっと立ち寄った本屋でなんとなく見かけたまま上下巻購入して、その日のうちに読んでしまった二冊。

ひとしずく×やま△氏が手がけた4楽曲を小説化した「Bad∞End∞Night
このナイトシリーズの個人的な考察・感想です。

曲では語られなかった、「何が起こっていたのか」が、ことの始まりからラスト・その後まで描かれている、大ボリュームな2冊でした( ` ・ω・ ´ )

本を読むとバッドエンドナイトの黒幕もわかります。
ナイトシリーズ好き!な方はぜひお手に取って読んでいただきたく!

注意
この記事はネタバレを含みます!

原作となった4曲

ボカロ曲をよく聴く方はもう知ってるよ!かとは思いますが、原作となった4曲がこちらです。

Bad∞End∞Night
Crazy∞nighT
Twilight∞nighT
EveR∞LastinG∞NighT
この4つの曲が小説の原作となっています。
これら4曲をまとめて「nightシリーズ」と呼ぶようです。

ちなみに、順番もあります。
曲が公開された順に、第1幕から最終幕となっています。

第1幕 Bad∞End∞Night
第2幕 Crazy∞nighT
第3幕 Twilight∞nighT
最終幕 EveR∞LastinG∞NighT

小説と合わせて曲も聴くと深まる!

小説を読み終えたあとに改めてこの4曲を聴くと、ああ〜!ここが!って思わず呟くこと間違いなし!

小説読破後にこの4曲を聴いた後は感激ものでした。
例えるなら、超難題の問いの解答をやっともらえて、その問いを完璧に理解した上でもう一度同じ問題を自力で解き終えた気分。考察厨なもので……。


中でも特に、最終幕であるEveR∞LastinG∞NighTは小説と重なる部分が多いです。というか、もはや小説のクライマックスそのもの

クライマックスそのものすぎて、小説を読み終わるまでこの曲を聴くのはちょっと待った方がいいんじゃないか!?壮大なネタバレになるんじゃないか!?って本気で思ったレベルです。冗談抜きでそのものです。

小説のクライマックス部分をアニメで観てる感覚にすらおちいります。

上下巻を読み終えたら、EveR∞LastinG∞NighTだけでもぜひ聴いてみてください。お願いします。
どれだけ、nightシリーズ楽曲が映像・歌詞ともによく作り込まれたものであるのかが分かります。鳥肌ものです。

 

曲を聴いて、小説を読んで、そのあとでまた曲を聴く。
3度楽しいのがボカロ小説の醍醐味ですね!

僕のしていた勝手な解釈と実際の内容

小説を読む前にあれこれ考えていた僕の勝手な解釈です。

他人の解釈?興味ないね。な人は読み飛ばしてください!

読み飛ばすぜボタン

 

シリーズの1曲目であり第1幕である「Bad∞End∞Night」を聴いた当初は、

不可思議な力が働いている(屋敷の門をくぐると時間が歪み世界がループする)な屋敷へと、森で迷子になった村娘が迷い込んだ。とある条件を満たさない限りは、その時間の歪みからは脱出することはできない……。

みたいな、どっぷりファンタジック路線の話を勝手に想像してたりしてました。が、実際のストーリーはもっと現実的で、世界観やキャラクター・物語の流れなど全てにおいてしっかり作り込まれた話でした。

あと、裏切りに渦巻いた無情冷酷な登場人物!みたいな想像を勝手にしてたんですが、実際のところはアイが渦巻くハッピーエンドなストーリーでした。

そういう面では、別楽曲である「祝福のメシアとアイの塔」と似たものをなんとなく感じた。

一人のために、全員が犠牲になる。
その一人は最後まで真実を知らなかったが、絶望しながら最後は全てを知ることになる。

……みたいな。

あらすじ

自分なりに、簡単にストーリーをまとめて紹介します。

ちなみに、3行でいうと

ミクを助けたい仲間たち
仲間想いのミクが暴走
相思相愛ハッピーエンド

です。

注意
以下、話の本筋にガッツリ触れるようなネタバレを含みます。

【上巻】あらすじ

とある劇団の主役オーディションに受かった、女優になることを夢見るミク。
生まれて初めての舞台上で演じるのは、劇場で見つかったという幻の台本「クレイジー・ナイト」の主役。
仲間に助けられつつ、無事に第一幕を成功させたミク。だが、公演後のステージでとある手紙を見つけた直後、気を失ってしまう。

目が覚めた時、そこには謎の屋敷で「クレイジーナイト」の舞台を演じる劇団員たちがいた。
ミクが何を言っても、「舞台の登場人物」として振る舞う劇団員たち。まるで自分ひとりだけが「クレイジー・ナイト」の舞台世界に閉じ込められてしまったかのような空間。
困惑するミクに、劇団員たちは「誰かが台本を破いた。上映時間内に破かれた台本の続きが見つからなければ、僕たちは消滅してしまう」と語る。

舞台の一部となってしまった劇団員を助け、一緒に現実世界に戻りたい一心で、ミクはページ探しに協力する。

【下巻】あらすじ

少年人形に連れられて出向いた図書室、そこでミクはこの舞台世界の核心ともいえる真実を知ってしまう。
激しく動揺するミクだが、仲間たちと協力しあえばなんとかなると自分に言い聞かせ、ページ探しの報告をするため集合場所となっていた部屋へと向かう。
しかし部屋に入ろうとしたその時、劇団員たちの会話が聞こえてきてしまい、「自分は誰かの代わりの9人目」でしかないと知る。そのことをひた隠し、ミクを騙し続けていた劇団員たち。
「仲間を信じていた自分は、仲間たちからは利用されていた」と知ったショックで暴走したミクは、静止の声に耳を貸さず「棺」に手をかける。

……ここで、「講演後の舞台でとある手紙を見つけたミク」まで時が戻り、舞台世界に取り込まれることになった一連の流れが明かされる。
舞台世界に取り込まれた直後、舞台世界の仕組みを知らされた劇団員たちは、「この舞台世界の中で、ミクのため、ミクを騙し続けること」を誓い合ったのだ。

そして場面は現在へと戻る。
棺を開け、今に至るまでの全てを知った仲間想いのミクは、自分のエンディングを時計の針にたくして、その手で「舞台世界」の幕を引き下ろしたのだ。



……その先は、ぜひ本を手に取って読んでみてほしい。
まだその先があるのです。

読み終えたあと

このあらすじを書くためにもう一度本を手に取ってかじり読みをしたのですが、やっぱり面白い。

テンポが早いからダレない

ミステリージャンルで上下巻でありながらもストーリーのテンポが早い。だから途中でダレることなく読めるんだと思います。

そのうえ、下巻なんか初めからクライマックス+タネ明かしという濃すぎる内容。
下巻で「なぜ、どうしてこうなったのか」の部分がしっかりと語られるので、下巻を読み終えてからもう一度上巻を読むのもおすすめです!
上巻で語られなかった部分を想像しながら読めるので、また違ったものがあるんですよね。
これって、「タイムリミットのある某洋画」でもそうでしたが、黒幕とか話の核心が分かると面白さも倍増するものです。

『因果』

ストーリー中盤あたりから、因果だとか繰り返される結末の蓄積とかなんだか難しそうな概念が入ってきます。
自分はというと、まどマギのような因果うんぬんが絡んでくる系統のストーリーが大好きなので、もう夢中でした。

何度も何度も死の一瞬が渦巻く世界。死という「一瞬」という時を変えたいがための「永遠」の時間。
変化を繰り返し続けたことで、やっと現実の一瞬という時に干渉できる。

こういう世界観は聞くだけでわくわくしてしまう。

原作となったあの4曲が、「どこか似ていて全部違う」雰囲気なのはまさしくこの「因果」を表していたんだなと。

茶目っ気のあるセリフ!

劇団員たちの茶目っ気のある台詞も見どころです!
基本的にみんな仲が良いので、気心が知れた仲ならではのちょっとした台詞の掛け合いをちょいちょい挟んできます。

でも個人的には、劇団員たちが険悪になるシーンが読んでいてにやけてしまうほど好きでした。……単純に僕の趣味ですけどね。はい。
「普段は仲が良い仲間たちが本気で険悪になっているシーン」が大好きなんですよねぇ。
ちなみに、この口論がきっかけでミクが重大な真実を知ってしまうので、このシーン、2倍楽しいんですよね。

ラブアンドラブなお話だった

もしこのお話を一言で説明するとしたら、
「ミクさんが皆に愛されているだけのラブアンドラブなお話」です。
それと、愛ゆえの優しい嘘と友情にあふれる仲間たち。

みんなは一人のために、一人はみんなのために。
まさしくそんなお話でした。

ああっ!ひとしずくさんっぽいな!と思ったのは、やっぱり「祝福のメシアとアイの塔」の印象が強いからかもしれません。
「祝福のメシアとアイの塔」のストーリーが好きなら、この小説もきっと気に入ると思います。

 

この本がすごいのは、上下巻でありながらも、ともかくすらすら読めること。

特に物語がクライマックスに向かってどんどん加速していく下巻は、あっという間に読み終えてしまいました。感覚的にいうと、上巻を読破するのにかけた時間の半分くらい……。
持った感じ、本の厚みは大差ないんですけどね!

 

久々に本気で夢中になった小説でした。

ボカロ曲で小説化されているものって意外とたくさんあるんですよね。
この機会に他のものも読んでみようかなあ。

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